オーダーメイド車椅子の納期はどの位?スムーズな製作のための完全ガイド

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ナイアード
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・オーダーメイド車椅子の納期の目安を知りたい
・製作途中で立ち会う必要は?

補装具の会社で事務員として10年以上働いている私が、上記などのお悩みを解決出来る記事を書きました!

オーダーメイドで車椅子の製作を検討しているが、出来るだけ早く欲しいと思う方は多いかと思います。

ですが、素早く納品出来ない理由があるのです。

この記事を読めば、その根拠や納品までの時期の目安が分かるようになりますよ。

是非最後までご覧下さいね。

オーダーメイド車椅子の納期の目安について

海辺と車椅子

まず最初に、オーダーメイドで車椅子を製作した場合の納期の目安について紹介します。

私が働いている会社ではオーダーメイドで車椅子を製作しているのですが、そのデータを基に書きますね。
※各会社によって納期は差があると思うので、1つの参考として捉えて下さい。

納期までの目安は約6ヶ月

私の会社ではお客様に、『オーダーでの車椅子は納品まで約6ヶ月かかります』と説明しています。

そんなにかかるの? と思う方もいるかもしれませんが、この位かかるのには理由があるのです。

オーダーメイド車椅子の納品までの流れ

段ボール箱

オーダーメイドで車椅子を製作する場合の、具体的な流れを解説します。
それぞれにかかる時間の目安も書いているので、参考にしてみて下さいね。

手順としては下記のような感じになります。

・打ち合わせ
・支給決定
・仮合わせ
・納品

では見て行きましょう。

打ち合せ

ご利用者様と家族、施設の理学療法士などの先生、補装具業者が集まり、まず最初に『どんな物が欲しいのか』について話し合います。

その内容を基に補装具業者が見積書を作成し、市町村の障害福祉課に提出します。

支給決定

見積書を出してから支給決定まで、目安として1ヶ月位です。
ここで1つ覚えておいてほしいポイントがあります。

補装具の利用者が18歳以上で、新規製作の場合には適合判定というものを行う必要があります。
それをすることになると、支給決定まで更に1ヶ月以上かかることを頭に入れておいて下さい。

適合判定については下記の記事で詳しく解説しています。
良ければ参考にしてみて下さい。
【徹底解説】補装具費支給制度の適合判定とは?

仮合わせ

支給決定が下りたら、補装具業者がオーダーメイド車椅子の製作に取り掛かります。

私の働いている会社の場合、フレーム部分の製作は外部の業者に依頼しているのですが、仮合わせの状態の車椅子フレームが届くまで大体3~4ヶ月かかります。

フレームが届いたら仮合わせという作業を行います。
車椅子を利用する本人の身体に合っているのか。などのチェックを本人やご家族の方に立ち会ってもらい、意見なども聞きながら判断します。

ここで問題がなければフレームの完成に取り掛かるし、調整が必要であれば再度フレームを修正する必要があるので、更に時間がかかります。

納品

仮合わせが済んだら、フレームを完成へと向けて仕上げて行きます。
仮合わせ後から大体2~3ヶ月経って納品となります。

以上が一連の流れと時間の目安になります。

上記は車椅子フレームについてのみ書きましたが、座位保持部分の製作も必要となる場合納期は前後するかもしれません。

オーダーメイド車椅子の納期を短縮出来るかもしれないポイント2つ

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出来るだけ早く注文した車椅子を受け取りたいですよね。
納期を短縮出来るかもしれないポイントを2つ紹介します。

・しっかり話し合う
・書類を早く出す

意外と見落としがちな項目なので、詳しく解説しますね。

しっかり話し合う

製作前の理学療法士の先生や補装具業者との話し合いの際に、思っていること&希望していることなどは全て言っておいた方が良いです。

製作が始まってから『やっぱりこの機能が欲しい』などと言ってしまうと、そこから修正が入るので時間もお金も余計にかかってしまいます。

書類を早く出す

補装具費支給制度を利用する場合、本人又は家族の方が市町村の窓口に申請に行く必要があります。

それが遅れるとその分だけ支給決定が下りるのが遅くなる=納品が遅れる。ということに繋がってくるので、必要な書類や手続きは早く済ませることも大事です。

実際に合った例ですが、『製作開始まだですか?』と利用者から問い合わせがあったので福祉課に確認したら、『制度の利用者から書類が出されていないから、処理が進められない』
ということがありました……。

オーダーメイド車椅子の納期に関する裏話3つ

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補装具業者だからこそ知っている、納期に関する裏話をご紹介しますね。
私の働いている会社のある、関東地域での例を書いて行きます。

働き方改革で残業が出来ない

大手の車椅子製造会社での実例なのですが、『働き方改革で長時間の残業が出来なくなっているので、納期が全体的に昔より遅くなっている』と言っていました。

人手不足

人手不足で作業がいっぱいいっぱいという会社が複数あります。

納期がいつもより数週間かかっているケースも実際にあるので、仕方ないですが困っています……。

コストの高騰

近年世界で起きている戦争や物価高騰などの影響で、部品や原材料が高騰したり入荷が遅れたりする関係で、納期が大幅に遅くなるというケースもあります。

まとめ

オーダーメイド車椅子の納期について解説しました。

その人の身体に合った車椅子をオーダーメイドで作るので、時間がかかるのは仕方ありません。

ですが工夫次第で少しではありますが短縮出来るかもしれないので、この記事を参考にしてみて下さいね。

この記事を書いた人
ナイアード

関東の補装具の会社で10年以上事務員をやっています。
毎日の電話対応などで、現場のリアルな声を聞いています。
補装具のお悩みがまとめられているブログがなかった為、自分で作ってみました。
趣味で小説を100本以上書く位、執筆が好き。

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